小児皮膚科
こどものヘルペス
単純ヘルペスは単純ヘルペスウイルスによる感染症です。単純ヘルペスには1型と2型があります。
ヘルペス性歯肉口内炎
多くの方が生後6ヶ月〜6歳までに単純ヘルペス1型に初めて感染します。ほとんどの方が不顕性感染(感染しても症状がはっきりしない)ですが、25〜30%の方に口の中や唇、口の周りに小さい水疱がたくさんでき、発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことがあります。重症の場合、食事が摂れなくなり、入院加療が必要になることもあります。
口唇ヘルペス
単純ヘルペスウイルス1型にかかったことがある方はウイルスが神経節に潜伏します。疲労や免疫低下などでウイルスが再び増殖します。その際に口唇や口の周りに水疱ができます。それが口唇ヘルペスです。
ヘルペス性ひょう疽
指しゃぶりをする子供さんはその際に単純ヘルペスウイルスが指の小さな傷から侵入し、指の皮膚に感染します。指が痛くなり腫れて、赤くなり、膿を持ったりびらんになったりします。
カポジ水痘様発疹症
アトピー性皮膚炎などの皮膚バリアが障害されている状態の皮膚に、単純ヘルペスウイルスが広がって水ぼうそうのようになる疾患です。リンパ節が腫れたり、発熱や倦怠感などの全身症状が見られます。目の周りにできますと角膜ヘルペスなどの目の合併症も出現することもあります。
治療
- 抗ウイルス薬の内服(ゾビラックス、バルトレックスなど)
- 抗ウイルス薬の外用(アラセナA軟膏、ゾビラックス軟膏など)
重症の場合は入院の上、抗ウイルス薬の点滴が必要になることもあります。