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小児皮膚科

あせも(汗疹:かんしん)

原因

あせもはエクリン汗腺から分泌された汗が滞って外に出られなくなり生じます。(汗貯留症候群)汗の中の糖タンパク質という物質により汗の出る管(汗管)を閉塞することが原因とされています。気温の高い夏場に多く、発熱時に大量の汗をかいた時にも出やすくなります。汗の閉塞する部位により3つのタイプのあせもに分けられます。

①水晶性汗疹…角層内の閉塞(一番表面に近いところの閉塞)で透明の極小の水疱で痒くありません。

②紅色汗疹…炎症がありかゆみを生じます。掻いて湿疹になったり細菌が感染したりすることもあります。

③深在性汗疹…汗が真皮という少し深いところの皮膚に貯まります。1から3mmの白い発疹です。かゆみはありません。

治療

水晶性汗疹は自然に治りますので、治療を必要としません。紅色汗疹は症状が軽度の場合は、カチリ(フェノール亜鉛華リニメント)やカラミンローションなどを塗ります。湿疹となってかゆみが強い場合はステロイド外用剤を使用します。細菌感染がある場合は抗生物質の内服をすることもあります。夏場に油分の多い保湿剤を使用しすぎてかえってあせもになる場合があります。ローション剤やフォーム剤などの形状のものが良いでしょう。

 

生活の注意点

  • 気温が高い日は、通気性の良い肌着を着せましょう。
  • 汗で濡れた肌着をそのままにしておくのは良くありません。着替えましょう。
  • 発汗後はシャワーや濡れたタオルで拭きましょう。
  • 室内では高温多湿を避けるためエアコンを使用しましょう。温度の設定に注意してください。
  • 適度に汗をかくことは大切なことです。汗には保湿効果があります、またアレルギーの原因となるヒョウヒダニが産生する物質を汗の成分が不活性化して、アトピー性皮膚炎を悪化させない様にしてくれます。
  • 汗は体温調節にも重要ですので、汗をかくことは熱中症対策にもなります。

 

あせもは冬季も注意

昔からすると、エアコンの普及で夏のあせもは激減しました。むしろ最近は冬に厚着をさせすぎて暖房のためにあせもになることがあります。ちょうど良い温度と湿度は肌にとって重要です。エアコンなどを上手に使いましょう。

おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)

病因

乳児におむつをすると、覆われている皮膚は湿度100%の蒸し風呂の様な環境下に置かれます。そこに尿や便のアンモニアなどの物質の刺激が加わると、おむつ替えの時の拭き取りなどの弱い刺激でも、容易に皮膚に傷やびらんが生じます。細菌は紙おむつの進化により、おむつの中の蒸し風呂状態は改善されました。ほとんどが「拭き取る場所に一致した皮膚炎」です。

カンジダというカビが増殖しておむつかぶれの様な発疹をつくることがありますので、まず顕微鏡で検査をします。カンジダは消化管の常在菌で、傷んだ皮膚で増殖してしまい皮膚炎を作ります。この皮膚カンジダ症とおむつ皮膚炎はよく合併しますので、片方の治療をしても皮膚炎が残ってしまうことがあり、もう一方の治療も必要になります。

生活の注意点

  • おむつ替えの時は、力を入れず優しく拭くようにしてください。それだけでもかなり良くなります。
  • おしりがいつも乾いている様にこまめにおむつを取り替えましょう。

治療

まずカンジダや手足口病などではないかを確認します。そうでなければおむつ皮膚炎の治療をします。

  • こすらない
  • 乾かす
  • 保護をする

これら3つがとても大切です。下痢をしているとなかなかお尻が乾きません。乾かす様なお薬や治療補助剤などを使って、尿や便の刺激を避ける様にします。あまり炎症が強い時は一時的にステロイドを使用することもあります。びらんがひどくなると、細菌感染を起こしてしまうことがあります。その際は抗生物質を使います。

 

肛囲溶連菌性皮膚炎(肛門の溶連菌感染症)

通常のおむつ皮膚炎や皮膚カンジダ症の治療をしても一向に良くならないお尻の赤みがあります。境界がはっきりとした鮮やかな赤みで、細菌培養検査で溶連菌が検出されます。抗生物質内服で速やかに良くなります。

 

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